春秋時代


西周のあとを受けた東周の時代は、一般的に「春秋戦国時代」と呼ばれる。
東周の朝廷にすでに力はなく、諸侯が権力争いを繰り広げた時代である。
その前半を「春秋時代」、後半を「戦国時代」とよぶ。

春秋時代には、強国といっていいほどの国はまだ生まれておらず、有力な君主が「覇者」と呼ばれ、統治や外交の中心となった。春秋時代は、覇者が次々と交代する時代でもあった。
その春秋の覇者のことを「春秋五覇」ともいう。
春秋五覇については複数の説があるが、桓公(斉)文公(晋)は必ず挙がる二人である。
残りの椅子をめぐっては、穆公(秦)・襄公(宋)・荘王(楚)・闔閭(呉)・夫差(呉)・勾践(呉)らが挙げられている。


 春秋時代の勢力地図




 春秋時代に活躍した諸子百家たち

思想

主な人物

主張


 儒家 

孔子  (前6~5世紀)

 

孟子  (前4~3世紀)

荀子  (前3世紀)

礼(社会全般の規範)と仁(道徳的心情)の実践により、理想社会と天下泰平を実現。

 ・著書:『論語』

性善説:人間は本性は善である

性悪説:人間の本性は悪であるので礼が必要である。


 墨家 

墨子  (前5~4世紀)

兼愛:無差別平等の愛。(孔子の仁は差別的愛である。)

非攻:戦争は最大の浪費


 道家 

 

老子

荘子   (前4世紀)

無為自然:孔子の仁や礼は人為的なもの。人為を排した万物の根源は「無」であり、「無」の性格は「自然」である。


 法家 

 

商鞅   (前4世紀)
韓非   (前3世紀

○法治主義:戦国時代には、法により国内を統一すべきだ。

          秦が採用した思想

名家

公孫竜  (前4~3世紀)

事物に与えられた名は、その事物の本質に関わっている。(「白馬非馬論」)

 

 兵家 

孫武   (前6~4世紀)

 

臏  (前4世紀)

 

春秋戦国時代に兵法書をつくる

 

縦横家

蘇秦   (前4世紀)

 

張儀   (前4世紀)

 

戦国時代の合従連衡を唱える。

陰陽家

騶衍   (前3世紀)

天体の運行と人間生活の関わりを説く。