新石器時代 (前5000〜前4000年)


◆◇文明の誕生◇◆
世界史上、農耕の開始をもって文明の誕生とするのが一般的である。
中国では一万年ほど前、黄河の中下流域でアワ、キビなど雑穀栽培が、長江の中下流域でイネ栽培が開始された。
従来、稲作の起源地をアッサムから雲南のあたりとする説が唱えられていたが、現在では否定され、長江の中下流域を起源地とする説が有力視されている。

中国には華北と華中の二大文明圏があったわけだが、便宜上さらに細かく、前者は燕山以北、黄河上流域、黄河中流域、黄河下流域の四つに、後者は長江上流域、長江中流域、長江下流域の三つに分けられる。
彩陶で有名な仰韶(ぎょうしょう)文化が栄えたのは前5000年〜前3500年頃にかけての黄河上流域で、黒陶で知られる龍山文化が栄えたのは前2500年〜前2000年頃のかけての黄河中下流域である。
また長江下流域では前5500年〜前4000年頃にかけて河姆渡(かぼと)文化が、前3200年〜前2200年頃にかけて良渚(りょうしょ)文化が繁栄を誇った。
穀物栽培の開始は、それを盛る土器の誕生をもたらした。
ゆえに中国の歴史学界は、農耕の開始以降を新石器時代と呼ぶ。